« 児童相談所の対応について | トップページ | I 君に会いたいと思う今日この頃 »

突然思い出したことなど

昨日、突然、もう10年以上前に亡くなった友人某の事を思い出した。

なぜか突然である。

それは、旨いコーヒーが飲みたいなと思って、

つい、旨いコーヒーを入れてくるれ店と、友人を思い起こした。

名古屋には、私の好みのおいしいコーヒー屋はない。

東京の有名?どころは2店舗ほどあるが、ここ10年ほどゆっくりと東京へ行く用事もないので、寄ることもない。

Bar LUPINさえ遠ざかって10年以上たつ。

そうして、なんとなく、何げに、甘くて苦くて後味すっきりしてのはどこで飲んだのだろうと思った。

そうして、ああ、某君の家で飲んだコーヒーだったなぁ

と・・・そこで、ふと思い出したのだが、

第一に思ったのは「今どうしているのかなぁ?」である

で、次に思ったことは、「あれ」

何年か会ってないなぁ・・・

で、自分の年齢を思い出した。

自分は、○〇歳、年を喰ったなぁ・・・である。

そりゃあ、みんなが年を喰うはずである。

で、ああ、彼はもういなかったなぁと

彼は、青い豆を、箸で選(よ)っていた。

二人分だからなぁといいながら選っていた。

「何か手伝おうか」というと

「パッと見ダメなのを選ってくれるか?」といわれた

虫食いや、縮んだもの、形の悪いものを除いていると、

「人間は見た目でいい悪いは判らんから困るよなぁ」

「人間の欠点は、利点でもあるから困るよなぁ」

と続けざまに云った。

「どうした」と聞くと

「いや、親がね、死んだ嫁さんの事を悪く言うんだよ」

「今頃か?」

「ああ、ぼくが腑抜けになったのも、やる気がないのも全部彼女の所為さ。」

「・・・・・・」

「子供が外へ勝手に出て、事故で亡くなったのは仕方ないと思ったんだが、親に言わせれば、彼女がちゃんといしていればよかったというのだよ」

私は、この時、三島由紀夫の「真夏の死」を思い出していた。

かの作品では、2人の子を失った母は、生き残こった次男を細心の注意で守りつつ生活を継続する、そうして紆余曲折をたどりながら、再度懐胎して、子を産み、事故のあった海岸へ再度訪れる。

夫は、彼女が何かを待っていると感じる。

そこで小説は終わる。

そこで、「どうして奥さんは自殺してしまったのだ?」と聞くと、

豆を選りながら、深いため息をつきながら

告解するように子供が亡くなってからの行動を語った。

帰宅すると、子供食事と自分の食事がある。

妻は、「暗い顔で、今日も帰ってこないの」という

彼は、自分の気持ちが潰れるのが早いか、妻の気持ちが潰れるのが早いか思い悩んだそうである。

彼は、逃げ場があった

それは仕事である

彼女には逃げはなかった。

轢いた相手の家へ行き、子供を返せと怒鳴る。

それも、彼は最初知らなかった。

子供あての手紙が来る

「〇〇さんご両親」様

ある時、庭に手紙が散らかっているのを見て

彼は、戦慄した。

それは、その手の案内だった。

家に帰っても、電燈もつけずに座っている。

食事はない

彼は仕方なく弁当を買って帰る。

妻は、昼間何をしているかわからない

彼女の親を呼ぶと、親は謝りながら連れて行った。

だが、程なくするとかえってくる。

帰ってきてからは、食事もして、普通の生活が訪れたが、手紙が来ると、狂気に落ちた。

そうして、結局自殺してしまった。

豆を選りながら、深いため息ばかりつきながらポツポツ語る。

小説の主人公と、実際に真夏の死のモデルなった家族の結末は知りはしない。

小説の様に、悔恨の情よりも、現実の生活の比重が重く、家族の死を忘れ得たのは不明である。

親は、再婚を望んだようであるが、本人はその気がなかった。

そこで、親は、死んだ嫁の呪縛を呪う言葉を吐き出していたという事になる。

彼も、結局、生きてる意味がないといって死んでしまった。

結果的に云えば、彼の家は絶えた。

そうして、長い時間をかけて選んで、ローストして挽いた豆で作ったコーヒーは旨かったのである。

そんなことも思い出した。

葬式にも行ったことを思い出した。

ふと思ったのは、あの世とやらがあるのであれば、子供、奥さん、両親に会えたのかなぁ?

奥さんは、精神を病む前のすがすがしい顔の時かなぁ。

ちび助は、あの世ではある程度まで大きくなるというから、親子で仲良く暮らしているのか?

癌で相次いで亡くなったご両親は、私が知っている頃の元気そうな、感じころの姿であろうか?

そんな風に思い出していたら、月がきれいに見えた。

この家族の訃報は夜届く。

お子さんが亡くなった時の葬儀の連絡を受けた時の月、

奥さんが自殺した後の葬儀の連絡を受けた時の月、

ご両親の葬儀はいけなかったが、葬儀の連絡を受けた時の月

そうして、本人の葬儀の連絡を受けた時の月

なぜか、細い下弦の月

糸のような月である

細い月を見て、何となく、もう一度、彼のコーヒーが飲みたいと思った。

でも、死んでしまわないと飲めないので、頭(かぶり)をふった。

寒さが身に染みた。

|

« 児童相談所の対応について | トップページ | I 君に会いたいと思う今日この頃 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 突然思い出したことなど:

« 児童相談所の対応について | トップページ | I 君に会いたいと思う今日この頃 »